昨日、お取引先のご依頼で、
葺き替え工事見積りの為の現場調査に出動しました。

木造の平屋建てで、切妻棟違いの屋根です。セメントの通称S型
瓦が葺かれた屋根で、建物全体も、結構年季が入った建物でした。
これが、実測に基づいた屋根伏図です。

大棟は、3本あります。棟違いになっている他は、複雑な箇所は無く、仕事をしやすそうな屋根です。
実測が終わると、屋根の上での調査です。
瓦の上を歩くと、微妙な感覚が足に伝わりました。
瓦をめくってみますと、やはり…。横桟木もベニヤ製で、ボロボロの状態でした。
野地板には、厚さ4ミリのベニヤ板が使われており、耐力は全くありません。このように、垂木位置には、跡が付き、垂木間のベニヤ板は沈んでいる状態でした。
瓦の上を歩いている時でも、垂木の位置が足で感じ取れる状態です。今回は、厚みが4ミリと極度に薄い物が使用されていますが、通常使われる12ミリの合板の場合でも、このような状況は、数多く見て来ました。拙者が、合板に不安を感じる理由が、ここにあります。
今回は、既存のセメント
瓦を撤去し、新しく
カラーベストで葺くご計画なのですが、この場合に注意しなければならない事があります。
まずは、
屋根下地の工事が必須になるという事です。
これが、現況です。
カラーベストを葺く時は、このように
屋根下地を作り直す必要が出て来ます。
野地板に関しても、増張や張替等を行う事が、
葺き替え工事を行う上での前提となっております。
次に、壁取り合いの面です。
瓦と
カラーベストでは、屋根材の厚みが異なります。その為、通常の壁取り合いの施工を行っても、既存の雨押えとの間に大きな隙間が生じてしまう為、別途何らかの処置を必要とします。また、こちらでは丸で囲んだ部分の雨仕舞が不十分ですので、ここの処置も必要です。
カラーベストの施工単価自体は、瓦に比べ安価なのですが、今回のような
葺き替え工事の場合、
屋根下地の改修など割と大きめの
付帯工事が別途必要になってきます。タイプが大きく異なる屋根材への
葺き替えの場合は、こう言った事も考慮の上、ご検討下さい。
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tag : 葺き替え 瓦 カラーベスト 屋根下地 野地板 付帯工事